ヨガでケガをした人に届け:痛みを学びに変える5ステップと安全練習ガイド

まず大切なポイントを一文で — ヨガで起こるケガの多くは「ポーズを深めようと急ぐ」「自分の体のサインを聞き逃す」ことが原因ですが、正しい練習と心の持ち方を学べば再発を防ぎ、“痛みのない体” へのリハビリにもヨガは大きく役立ちます
系統的レビューではヨガの負傷発生率は 1,000 時間当たり 1.18 件と低く、ほとんどが軽度筋損傷や一過性の痛みで回復しています 。ここでは【なぜケガが起こるか】【ケガから学べること】【痛みなく続ける5ステップ】を、動画と合わせてまとめました。


🎥 ケガに悩む人へ送る座談会動画






1. ケガが起こる4つの主な理由

原因具体例注意ポイント
オーバーストレッチ(引っ張りすぎ)ハムストリングや肩甲帯を痛めやすい前屈・アームバランス勢いでストレッチしないで、自分の受け取る感覚で
無理のないところまで
不良アライメント手首が屈曲しすぎたチャトランガで腱鞘炎関節は曲げる方向を理解すること
ウォームアップ不足冷えた筋に急に荷重を掛ける最初は優しいポーズから
他人と比較ストレス早く形を作ろうとして痛める周りと比べない

実際、最も多い部位は腰・肩・首・ハムストリングで、筋損傷や捻挫が中心という報告があります


2. ケガから学べる3つのこと

① 体の可動域は少しずつ広げていく

8〜10 週間のストレッチで股関節 の可動域 が平均 8–12 % 向上した臨床データがあり、適切な負荷と休養で可動域は必ず伸びることが実証されています

② セルフ・コンパッションが回復を早める

スポーツ心理の統合モデルでは、自己批判より自分への思いやりが痛みの恐怖と回復遅延を減らす鍵だと示唆されています 。無理せず、自分を労わって過ごしましょう。

③ 「痛みの地図」 が指導の引き出しになる

痛みや可動域制限を体験した教師の指導は共感性が高く、安全なキューイングを具体的にできるようになると複数のヨガ安全性レビューで報告されています。


3. 痛みなく続ける5ステップ

ステップ行動根拠
1. マインドフルな呼吸でウォームアップ少なくとも3分の静止呼吸+関節回し呼吸に集中することで、無意識の無理を防ぐ
2. プロップスを味方にブロック・ストラップで可動域を補助無理な牽引を回避し安全率↑
3. 痛みを 10 段階で即時メモ4 以上ならポーズ中止“痛みモニタリング”は競技リハビリでも推奨
4. 運動前と運動後の可動域を 数値化ビフォー/アフター角度を測定数値フィードバックで過負荷を抑制
5. リカバリーデーを週2回確保軽い陰ヨガor呼吸法だけ疲労している時は怪我をしやすいので、休む日も作って

4. 佳世子 × 葵 ワンポイント対談抜粋


「硬い頃こそ痛みと向き合ったので、今はどこで止めるかを生徒さんに細かく伝えられます。」

佳世子
「もちろん、怪我はしない方がいいけれど。痛みも怪我も学びになることは知っておこう。『なぜ?』『どこ?』を観察するとポーズが深くなるし、ケガ組が上達早いこと多いよ。」


まとめ:痛みをナビゲーターに変えよう

  • ヨガのケガは多くが軽度で、防ぎ・学び・克服できる
  • 原因は急激な伸張と不良アライメント+比較ストレス
  • セルフ・コンパッションと数値フィードバックが再発を防ぎ、指導力の強みにもなる。

痛みのない体を目指すすべてのヨギに、この動画と5ステップが届きますように。